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上新田車庫

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JR山陽本線の加古川駅と土山駅をターミナルとし、専ら近郊路線を管轄する神姫バス加古川営業所は、加古川市街から東に外れたところにありますが管内路線の大半を直接担当し、10km余りの距離も平気で回送しています。しかしながら、営業所から東へわずか4kmほどのところにある稲美町上新田に、管内唯一の出先車庫が存在しています。なぜこれほど近いところに車庫があるのか考えると、加古川営業所の敷地にそれほど余裕があるように見えませんから、収容台数の都合もあり、そのうえで3万の人口を抱えた稲美町からの通勤需要が存在する上新田に不足分を置いているものと思われます。稲美町は昭和30年に合併で生まれて以来、加古川を含む臨海工業地域や阪神地域のベッドタウンとして人口が増加の一途をたどり、合併当初の18,800人から、ピーク時の平成18年には32,600人にまで到達しましたが、山陽本線からは離れており、バス需要の生まれやすい土地でした。
上新田は、加古川・土山から町の中心部である天満地区を経由し、加古地区へ入ったあたりにあります。周辺は特になにがあるというわけでもなく、隣は昔ながらの農村住居、それに背景には広大な田畑が広がっています。このあたりは起伏も小さく、耕作しやすいでしょうから、農地として使いやすいためバスのために土地を提供する人がなかなか現れなかったのではないかと推測されます。そんな長閑な風景の広がるなかから朝5時台にバスが出るというのは意外に見えますが、それこそが上新田車庫の存在意義でもあるのです。
砂利敷きの回転場として開設されたのは昭和40年代で、しばらく駐在はなかったようですが、平成頭になって整地されて現在のように白線がひかれていることから、この頃に駐在が新設されたものとみられます。現在は7台が駐在していて、上新田-土山線、上新田-加古川線のほか、わずかに東へ回送して同じく稲美町内にある起終点、母里から出る母里-土山線も担当しています。

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休憩所はプレハブ。

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周りは平たんなので、自転車でここまで来て、バスに乗る人が一定数いるようです。

撮影:2019.05

by hirobus2012 | 2019-05-22 23:53 | バス車庫_兵庫県 | Comments(0)

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