三次営業所[中国バス]<廃止>
2020年 11月 15日
中国バス三次営業所は、鉄道が叶えられなかった夢を代わる尾道三次線を運行していた、尾道鉄道三次営業所を源流に持ち、今でも甲山営業所と共同で甲山三次線を担当しているほか、昭和59年からは阪急バスと共同で高速バス三次大阪線を、平成30年からは三次福山線(きんさいライナー)を担当しています。甲山三次線は通学通院で一定の需要があるようですが、減便が進んでおり、平日ですら3往復、土日祝は2往復なうえ、日祝は甲山営業所のバスだけで足りるダイヤが組まれており、1台しかいない三次営業所の一般路線の本務車は平日と土曜日しか稼働していません。そのうえで、高速バスの三次大阪線は2台、三次福山線は1台が毎日出ているため、一般路線1台に対し高速路線3台という、あまり見られない高速バス優勢で本務予備合わせて5台と小規模な、珍しい営業所となっていました。
三次営業所はいったん甲山営業所三次車庫へと格下げされており、三次車庫として2度の移転を経験し、最後の車庫は昭和50年代半ばから使われていました。その後、平成24年に営業所へと格上げされて現在に至ります。三次福山線の開設当初は、甲山営業所所属の福山ナンバー車が運用されており、甲山営業所三次車庫と三次営業所が併設状態になっていたようですが、しばらくすると三次営業所所属の広島ナンバー車が運用されるようになり、甲山営業所との共用状態は解消されたようです。
構内には、高速バス専用の三次車庫バス停が併設されています。三次甲山線は先代車庫に近い尾関山公園を起終点とし、数キロ回送していました。
なお令和2年5月からはきんさいライナーが、令和2年4月~7月と令和2年10月からはワインライナーが運休となっており、以降は高速バスは全便運休、したがって三次営業所での朝の点呼は平日でも一般路線の1回だけ、土日祝に至っては一般路線が全便運休のためゼロになりました。新型コロナウイルスによる影響とはいえ、平日1日1人しか乗務員が出勤せず、土日祝は完全に休んでしまう「営業所」は、全国どこを探してもここのほかになかったでしょう。
なおこうした状況のためか、令和3年6月いっぱいを以て三次営業所は廃止、即座に取り壊されてしまいました。
撮影:2018.10
修正:2020.11 / 2022.03
by hirobus2012
| 2020-11-15 09:44
| バス車庫_広島県
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